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「Shakespeare's R&J」を観てきました

Category: 観劇感想   Tags: シェイクスピア  ロミオとジュリエット  矢崎広  柳下大  小川ゲン  佐野岳  

「Shakespeare's R&J」
 2月3日昼公演を観てきました。



※ネタバレ含んだ感想なのでご注意ください。
読むことを禁じられた「ロミオとジュリエット」。


彼らは「ロミオとジュリエット」を知っていたのだろうか。


きっと多少は知っていた。
けれど読んだことはない。


そんな空気を感じた。






冒頭の授業の場面。
彼らは女性についても学び。女性との関わり方も学んでいた。

けれど全寮制の男子校。

そこに女性はいない。


その閉じた世界の中で
彼らは学生2の中に女性を覗き見たのではないだろうか。


だから、自然とジュリエット役を学生2に振った。


学生2は驚いて。
だけど受け入れた。



学生2の後半の目がとても印象的。

扇情的で。
少女が女性になったようで。



ジュリエットはこの時どんな表情でいた?と逆に考えさせる。



彼らがイメージしていたジュリエットは
オールメール時代の少年が演じるジュリエットだろうか
それとも女優が演じるジュリエットだろうかと考えた。



時代的には女優がいないような時代の話ではないと思うから
たとえ観ていなかったとしても
イメージするなら女優が演じるジュリエットかなと思うけれど
下地にはオールメールでのジュリエットのイメージも一部にあるのかもしれない。



物語の序盤に映画ロミジュリの曲を彼らが口ずさみながら演じているのが
ちょっと違和感あって、

それまではロミオとジュリエットも初めてちゃんと読む(みる)のだろうと思っていたのに
あれ?映画をみんな観てるの?と戸惑ってしまった。


あとから
ああでも曲は知っているけどちゃんと見たことはないということもあるなと
思い当ったのだけど
観ている時は受け止めきれずに戸惑ってしまった。



学生2の中に誰もが情欲を感じていて
それまではほのかなものだったのが
ジュリエットを観たことで表面化していく。


目の前に現れたジュリエットにときめきを感じながら物語をすすめ
そして途中でこのジュリエットはロミオのものになってしまうと気づいたかのように
学生3が物語を止めようとして、

だけど物語を止めることが出来なくて

また、物語に留まってしまう。



学生1はどのくらい確信的にロミオを演じたのだろう。
ただ、自分から始めたから自然に?
当然主人公は自分だと思って?
それともジュリエットが欲しくて?


学生1の強い目。
それは目が離せなくなるくらい魅力的だけど
彼の気持ちだけが見えない。

学生2も学生3も学生4も
戸惑って、ときめいて、後悔して、激して
揺れる気持ちが見えるのだけど

学生1だけはただまっすぐにみつめる目から
彼の気持ちを想像するしかない。


学生2がこれはロミオのセリフなのか
それとも彼の気持ちがあるのかと戸惑う。

彼の言動から気持ちを推し量ろう思うのだけど
彼の気持ちが見えない。



物語の最後。
学生1はひとり残される。


みんな大人になってしまった。

学生2はみんなが自分の中に女性を見ていることも受け止めて。
学生3も学生4もそんな時代を終えて行って。


そして学生1はひとり。



学生1の気持ちが見えなかったのは
学生1自身が自分の気持ちが見えていなかったから?




学生1はずっと彼のままに思える。
ロミオの時も、ロミオでない時も。

だから彼の存在がベローナと寄宿学校とを曖昧にする。


昼と夜。現と夢。過去と現在。
色々なダブルの世界。
捉えきれない闇と幻想。


ずっとここにいたいと思ったのは
私?それとも彼?




学生たちは
彼らであり、役でもあり、そして観客でもある。


観るまでは観客でもある彼らを考えてはいなかったので
とても面白く感じた部分。



ロミオが嘆き悲しむ様を学生2が観ている。
それは学生2が学生1を観ているようでもあり、
ジュリエットがロミオを観ているようでもある。


ジュリエットの悲しみを観る学生1も
ロミオが観れるはずのないジュリエットも観ているようでもあり
学生1が学生2を見つめるようでもあり。


このメタ感にはぞくぞくした。



学生2が納骨堂に眠りに向かうとき
ナイフをそっと床に置く。
ここまでの展開から、
もしかして最後はナイフを本当に胸に納めるつもりなのではと不安に思いつつ見守る。

ジュリエットは胸を突こうとする。けれど出来なかった。

そしてそれを学生たちは止めようとしなかった。



それは物語だと思ったからか。本当に物語だったのか。それとも誰もが見入ってしまったのか。









彼らは作中で名を持たない。
だから、寄宿学校のどこかに眠る本を
またいつかみつけた学生が同じように魅惑されていくのではないか。

彼らはどこかの誰かなのではなくて
幾人もいる彼らのひとりなのではないかという終わらないイメージ。



名前がないから
上演される毎の役のイメージが固定されないように感じられるのもいいな。


こういうのは
色々な国で長く上演されることを思って作ってあるように感じる。







舞台の美術も美しくて
作りこまれた世界の中で自由な世界を観ることが出来て


とても素晴らしい
とても楽しい

観れたことを幸運に感じる舞台でした。

ああ幸せ。
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テーマ: 舞台・ミュージカル | ジャンル: アイドル・芸能

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